「家を買いたい!」

と思ったときに、両親や祖父母から家を購入するためのお金を貰う(もしくは借りる)ケースは多くあると思います。

kai
もし、このような状況であるなら、節税を考えてみましょう

お金が両親から子供に贈与された場合は、贈与税という税金がかかります。

この税金はバカにならない金額なんです。

そのため、この記事ではお金を両親から子供に贈与するという点に着目して、節税する方法を簡単に分かりやすく説明します。

今回紹介するのは、「住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用する」方法です。

なお、贈与税について一般家庭で注意すべき内容や基礎知識について以下のリンク先で紹介していますので参考にしてみて下さい。

→一般家庭で注意すべき贈与税の基礎知識

住宅取得時に贈与を受けた際に出来る節税

住宅取得時に贈与を受けた場合、一定の要件を満たせば贈与税を少なくする又はなくす事が出来ます。

一定の要件については、この後詳細に説明をしますが

住宅を取得する際に両親が祖父母から、資金援助を受けるという事は一般家庭でも多く行われるため、人気の節税制度となっています。

住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用するメリット

住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用するメリットはどこにあるのでしょうか。

メリットは、余計な税金を支払わなくてよくなるという事につきます。

では、住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用することでどれくらい得をするのでしょうか。

まずは通常の贈与税を確認しておきましょう。一般的には両親やおじいちゃん、おばあちゃんから贈与されると思いますので、以下は国税庁が開示している税率表を少し加工した表になります。

  • 20歳以上の者が直系尊属(父母等)から贈与を受けた場合の贈与税の税率
贈与財産価格-基礎控除110万円 税率 控除額
200万円以下の金額 10%
400万円以下の金額 15% 10万円
600万円以下の金額 20% 30万円
1,000万円以下の金額 30% 90万円
1,500万円以下の金額 40% 190万円
3,000万円以下の金額 45% 265万円
4,500万円以下の金額 50% 415万円
4,500万円超の金額 55% 640万円

→贈与税の計算と税率(暦年課税) 国税庁HP

なお、旭化成ホームズが実施した調査結果で、65歳以上シニアが所有する、相続対象の資産総額は平均 約4743.3万円という調査結果が出ていました。こちらも参考にリンク先を紹介しておきます。

2015年からの税制改正で相続税も増税へ

財産相続の方法を「具体的に検討している」は
親子共に1割未満

  • 子の不安、親知らず。財産相続への不安は子世代の方が圧倒的に大きい
  • 二世帯住宅など親子での同居意向は、親世代より子世代が積極的
  • 65歳以上シニアが所有する、相続対象の資産総額は平均 約4743.3万円

→親と子の財産相続に関する意識調査結果発表

kai
皆さん、結構お金をため込んでいるものなんですね。私なんか、親に聞いても「相続するような財産なんてないよ!」と言われます。相談してくれたら最も良い相続方法を考えるんですが、お金のことですからね。中々、赤裸々に言いたくないみたいです。親も高齢ですし、話し合いが出来るように徐々に説得していきます。

資産総額には現預金はもちろん、不動産や有価証券等も含まれています。

仮に、これらの相続財産を現預金にして、子供に贈与し子供がその現預金を何も使わなければ、上記の税率表に4743.3万円を当てはめた場合、約1,908万円の贈与税がかかります。

この約1,908万円の贈与税額を少なくすることが出来るという事が、住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用するメリットになります。

kai
財産の半分近くが税金で持っていかれる計算になります。怖いですね。

住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用した場合、贈与税はどのくらい節税出来る?

それでは、贈与してもらった現預金を住宅取得に充当し「住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用」した場合、贈与税はどのくらい節税できるのでしょうか。

まずは、住宅取得時に贈与を受けた際の贈与税の非課税限度額を確認しておきましょう。

国税庁のHPによると、以下の通り非課税枠が記載されています。

次のイ又はロの表のとおり、新築等をする住宅用の家屋の種類ごとに、受贈者が最初に非課税の特例の適用を受けようとする住宅用の家屋の新築等に係る契約の締結日に応じた金額となります。

イ 下記ロ以外の場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
~平成27年12月31日 1,500万円 1,000万円
平成28年1月1日~平成32年3月31日 1,200万円 700万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日 1,000万円 500万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日 800万円 300万円

ロ 住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成31年4月1日~平成32年3月31日 3,000万円 2,500万円
平成32年4月1日~平成33年3月31日 1,500万円 1,000万円
平成33年4月1日~平成33年12月31日 1,200万円 700万円

→直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税 国税庁HPより

消費税等の税率が10%になってからのほうが、非課税限度枠は大きくなるんですね。

仮に、上述で紹介した65歳以上シニアが所有する、相続対象の資産総額は平均 約4743.3万円をベースに贈与税がいくらになるのか計算してみましょう。

平成31年4月1日に贈与を受ける子供が、贈与を受けた現預金を省エネ等住宅を購入するために当てた場合、贈与税は約469万円になります。

現預金で贈与を受けて、省エネ等住宅を購入せずにそのまま保有した場合の贈与税は約1,908万円だったので、1,439万円の節税なりました。

全然違いますよね?使わない手は無いです。

kai
もし、受贈者(子供)が住宅取得を考えていて、贈与者(両親や祖父母)に財産を贈与したい希望があるのであれば利用すべき制度です。

それでは、どのようケースに非課税枠を利用できるのか、利用条件についてピックアップして簡単にわかりやすく紹介します。

説明には国税庁HPのタックスアンサーNo.4508の「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」をベースに解説していきますので、併せて以下のリンク先も確認しながら読んでもらえると理解が深まるかと思います。

→直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税 国税庁HPより

まずはじめに利用できる期間要件について説明していきますね。

利用条件① 期間の要件について

利用条件の1つ目は利用できる期間です。

2015年1月1日から2021年12月31日の間に贈与を受ける事が出来なければ、非課税となりませんので注意が必要です。

また、期間に関しての注意点はまだあります。

それは

  1. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等を行い
  2. 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれる

必要がある事です。

つまり、2021年の12月31日までに贈与を受けて、2022年の3月15日までに住んで入れば大丈夫ですが、この特例を受けるためには税務署に申告する必要があるんですよね。

その申告期限は

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間

です。

kai
申告まで忘れないようにして下さいね。非課税だから申告しなくても大丈夫!とならないのがこの制度です。もし、申告を忘れてしまうと普通に贈与税とられてしまいますからね。

利用条件② 受贈者の要件について

期間の要件に続いては、受贈者の要件です。こちらも非課税枠を利用する上で重要ですので以下の3つの要件に適用するかどうかご確認下さい。

  1. 贈与を受けた時に贈与者が受贈者の直系尊属(曽祖父母,祖父母,両親。また、養父母も含まれます。ただし、叔父・叔母、配偶者の父母・祖父母は含まれません。)
  2. 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること。
  3. 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること。
kai
つまり、贈与を受ける者は未成年だったり、金持ちだったりしては駄目という事ですね。また、遠い親戚からお金を貰っても駄目です。

利用条件③ 居住用の家屋の新築、取得又は増改築等の要件について

今回紹介する節税方法は、受贈者(子供)が住宅(居住用の家屋)取得を考えていて、贈与者(両親や祖父母)に財産を贈与したい希望がある場合ですが、住宅(居住用の家屋)の範囲はどうなのでしょうか。

一律に居住用の家屋といっても土地は含まれないのか?といった事や、新築でも中古でも大丈夫なの?広さや年数は関係するの?といった疑問が出てきます。

疑問を解消するため、1つずつ確認していきましょう。

まず、土地は含まれないのかという事ですが、「居住用の家屋の新築」となっていても、敷地としての「土地」も含まれます。ちなみに、戸建ての他にも、マンション、アパートも対象となります。ただし、対象となる居住用の「家屋」は日本国内にあるものに限られていますので注意しましょう。

  • 新築又は取得のケースでの要件

新築又は取得のケースの要件は2つをクリアする必要があります。

1つ目の要件は

イ 新築又は取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。

となっています。

kai
家屋の広さが広すぎても、狭すぎても要件を満たしません。また、あまりないかもしれませんが例えば親から贈与された「家屋」と「土地」には住まずに不動産投資として貸し出す場合は要件を満たさないということになります。

2つ目の要件は

ロ 取得した住宅が次のいずれかに該当すること。

① 建築後使用されたことのない住宅用の家屋

② 建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その取得の日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)に建築されたもの

③ 建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたもの

④    上記②及び③のいずれにも該当しない建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その住宅用の家屋の取得の日までに同日以後その住宅用の家屋の耐震改修を行うことにつき、一定の申請書等に基づいて都道府県知事などに申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき一定の証明書等により証明がされたもの

となっています。

kai
①と②はわかりやすく、新築か取得した日から20年前までに建てられていれば問題ありません。

③については①、②関係なく地震に対して安全です!との証明書類があれば要件に該当します。証明書類としては「耐震基準適合証明書」「建設住宅性能評価書の写し」「既存住宅売買瑕疵保険付保証明書」が必要になります。

また、④については、申請書等と証明書等が必要です。

(申請書等の書類)
「建築物の耐震改修の計画の認定申請」「書耐震基準適合証明申請書(仮申請書)」「建設住宅性能評価申請書(仮申請書)」「既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書」

(証明書等の書類)
「証明耐震基準適合証明書」「耐震基準適合証明書」「建設住宅性能評価書の写し」「既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類」

が必要になります

 

  • 増改築等のケースでの要件

続いて増改築等のケースでは3つの要件をクリアする必要があります。

イ 増改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。

ロ 増改築等に係る工事が、自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。

ハ 増改築等に係る工事に要した費用の額が100万円以上であること。

kai
「イ」の要件については先ほどと同じですね。「ロ」については書面により証明が必要ということと「ハ」については、100万円未満のちょっとした増改築では要件に該当しませんよ。ということです。

利用条件を満たしていることが分かれば、申告するときに何が必要になるのかという事も紹介しておきます。

利用条件を満たした後の申告手続

非課税の特例の適用を受けるためには

  1. 贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に
  2. 非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に「戸籍の謄本」「登記事項証明書」「新築や取得の契約書の写し」など一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

なお、社会保障・税番号制度〈マイナンバー制度〉が導入されたことに伴い、個人番号を記載した各種申告書、申請書、届出書等を提出する際には、個人番号カード等の一定の本人確認書類の提示又は写しの添付が必要になります。

登記事項証明書は、インターネットを利用して請求を行った方が手数料が安いためおすすめです。

インターネットでの登記事項証明書の請求手続については、法務局のホームページを見ていただければと思います。

税理士を利用して賢く節税

贈与税を抑えるためには、制度を正しく理解し、利用できるかどうかを当てはめて申告を行う。

文章にすれば一行で済むのですが、実際に自分でするとなると、とても時間がかかります。

また、時間をかけても誤った申告をしてしまったとなることもあります。

贈与税は紹介した通り金額の影響が大きくなります。

そのため税理士を利用して、素早く正確に節税を行うというのも1つの方法です。

自分で一から調べて申告を行う手間と、税理士に支払うお金を天秤にかけて考えましょう。

税理士に相談したいけど、知り合いに税理士がいない方や税理士の探し方が分からない方は、以下のリンクから目的に合った税理士を探す事が出来ますのでご利用ください。

税理士をお探しなら『税理士探しの強い味方 税理士紹介エージェント』

kai
今回、贈与税を少なる制度があるから、みんなに知ってもらって是非利用してもらいたいなぁ。と書き始めましたが、税金について勉強している私でも記事にするまでにかなりの労力を使いました。自分で出来ることは、自分でした方が良い!とのスタンスですが、時間と労力を使いすぎるくらいなら初めから税理士に頼る方が楽じゃないかと私は思いました。。

まとめ

今回紹介した内容についてまとめると、大きな項目は8つです。簡単にまとめてみます。

  • 住宅取得時に贈与を受けた際に出来る節税

住宅取得時に贈与を受けた場合、一定の要件を満たせば贈与税を少なくする又はなくす事が出来る節税で、住宅を取得する際に両親が祖父母から、資金援助を受けるという事は一般家庭でも多く行われるので、人気の節税制度となっています。

  • 住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用するメリット

この制度のメリットはズバリ、支払うべき贈与税を少なくする事です。

  • 住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用した場合、贈与税はどのくらい節税出来る?

贈与税が少なくなると、書きましたがどのくらい少なくなるのでしょう。今回の例示では贈与税の支払いを1,439万円少なくすることが出来ました。すごい金額ですよね。使わない手はありません。

  • 利用条件① 期間の要件について
  • 利用条件② 受贈者の要件について
  • 利用条件③ 居住用の家屋の新築、取得又は増改築等の要件について

住宅取得時に贈与を受けた際の非課税枠を利用するためには、様々な条件をクリアしないといけませんが、複雑な条件にはなっていませんのでしっかり確認しましょう。

  • 利用条件を満たした場合の申告手続

贈与税の申告書を提出する際に追加の書類提出が必要です。インターネットで取得できる書類もあるので活用しましょう。

  • 税理士を利用して賢く節税

税金には様々な優遇措置があります。税金はややこしいからと逃げずにきちんと調べれば多くが節税可能です。

特に贈与や相続等では、知っているか知っていないかで支払金額が大きく変わってきますので、自分で調べるのは苦手・限界があると感じる方は税理士に相談するのも1つの方法です。

税理士に相談したいけど、知り合いに税理士がいない方や税理士の探し方が分からない方は、以下のリンクから目的に合った税理士を探す事が出来ますのでご利用ください。

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なお、贈与税について一般家庭で注意すべき内容や基礎知識について以下のリンク先で紹介していますので参考にしてみて下さい。

→一般家庭で注意すべき贈与税の基礎知識